リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権
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冬晴れの1月26日(日)、リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権2003決勝戦が東京・恵比寿ザ・ガーデンプレイスにて行われ昨年に続き祷陽子五段・二十五世本因坊治勲ペアが吉田美香七段・小林光一碁聖ペアを下して優勝、見事二連覇を達成した。
戦いに次ぐ戦いの碁、厳しい攻め合いを制しての勝利に客席も沸いた。
入り口に続く長い長い人の列。試合開始はまだ1時間以上も先だというのに既にファンの方が大勢並んでいた。年配の方が多かったが中には小さなお子さんの姿も。お祖父さんと連れ立ってやってきた子もいて、二人並んでウキウキと楽しそうな様子だった。
対局者四人もファンに負けず早くから会場入りした。それぞれに用意された控え室にこもって作戦を練る。中からはヒソヒソと話し合う声、それにパチパチという石音が響いてきた。 吉田・小林ペアは布石を幾通りか並べて、「こう打ったらどうする?」と、ひとつひとつ対策を練っていた。
「でも、まあこんなことやってもすぐに違う碁になっちゃうから意味ないんだけど」と小林碁聖は笑って見せたが、それでも試合前のウォーミングアップにはなるはず。吉田七段も熱心に質問をぶつけてなかなか真剣な様子だった。
祷・治勲ペアの部屋も石音が高かった。覗くと、「いえいえ何もしてません」と照れ笑い。しかし取材陣が去ると、またパチリ、パチリ…。
こうして対局開始ギリギリまで両ペアとも部屋から出ようとしなかった。
場内はすでに満員、入場者は約八百人。13時15分の開演時間も迫っていたが、それでもまだ入り口でファンの列が収まらない。スタッフ総動員で対応にあたり、どうにか予定どおりに開演することが出来た。
また、試合開始に先立ち会場のファンはどちらが優勝するか予想して投票した。正解者の中から抽選で大会終了時、プレゼントが棋士より手渡される。その投票も締め切られ、ついに開幕である。