● 決勝戦速報 ●


       リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権 ハワイ・ホノルル決勝戦開催される
  知念かおり二段・結城聡八段ペア 初優勝!!
リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権1996の決勝戦が、ハワイ・ホノルルのヒ ルトンハワイアンビレッジで1月18日(土)13:30〜[日本時間19日 (日)8:30〜]から対局され、大熱戦の末、313手で先番の知念かおり・ 結城聡ペアが佃亜紀子初段・大竹英雄九段ペアに3目半勝ちした。
なお、優勝ペアには、日本ペア囲碁協会・日本棋院・読売新聞社より賞状とリ コー杯、賞金500万円(内200万円は全国の小・中・高校へ囲碁普及のた め碁盤・碁石など囲碁用品を寄贈するチャリティー資金とする)、記念品とし てリコー薄型カメラ アール・ワン・エスが贈られた。

お揃いのアロハシャツで対局する両ペア
 


湯浅寿生リコーコーポレーション会長より
リコー杯の贈呈



● 12月21日 ●


リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権の第3回戦と準決勝戦が、12月21日、「ラフォーレミュージアム六本木」で行われた。勝ち上がったのは、大竹英雄・佃亜紀子ペアと、結城聡・知念かおりペア
決勝戦は1月18日、ハワイで対局される。前回優勝の小林光一・泉美ペアは、惜しくも準決勝で涙をのんだ。

今年で3回目を迎えた、プロ棋士ペア囲碁選手権、慣れてきたせいかペア碁ならではの駆け引きが勝敗を分けるシーンもあった。
いちばん注目されていたのは大竹・佃ペアVS武宮・梅沢ペア戦、大捕物の派手な展開のうえ、ときどきボヤキや悲鳴が聞こえてくる。両女流棋士の元気一杯?の手に、「救急車を呼んでくれ」「オレを殺すつもりか」と、大竹九段は胸を押さえながらうめくので、他の選手から笑いがもれていた。
好調に攻めていた武宮・梅沢ペアだったが、一手の失着で形勢は大逆転。打ったと同時に、ひどさに気づいた梅沢初段、顔が真っ赤になり、大きなため息をついた。終局後、「すみません」を繰り返し、武宮九段に「うまく打っていたのに、残念だったね」となぐさめられる一幕もあった。
負けたときは男性がなぐさめ役にまわることが多い。逆に厳しい検討だったのが小林親子VS王・宮崎戦。光一九段の独壇場で勝ったものの身内に厳しく、泉美初段は目を真っ赤にしてうなづくばかり。その姿はペア、親子というよりも、師匠と師弟の関係そのものだった。
ベスト4が決まって、いよいよ準決勝。
大竹・佃VS加藤・青木戦は、大竹九段の放った勝負手が相手の足並みを乱し、2局続けて逆転勝ちをおさめた。
局後、「ようやく佃くんの打つ手がわかってきたよ。ぼくは力が弱いんだからカンベンしてくれよ」と大竹九段。棋風が正反対の大竹・佃ペア、苦しみながらも決勝に駒を進めた。
一方、連続優勝を狙う小林親子に待ったをかけたのが結城・知念ペア。知念二段の師匠時本壱八段は「棋風が似ているから、いけそうだよ。碁の内容もいい」と太鼓判、予言通りの結果となった。

 知念「バンザイ!」

 結城「意外なペアが勝ち残った」

 佃「決勝にいけただけでうれしい」

ハワイを楽しみにしていた若手3人は大ハシャギ。興味深い顔合わせとなった決勝。1月18日が楽しみだ。


知念かおり二段
結城聡八段ペア


佃亜紀子初段
大竹英雄九段ペア


小林泉美初段
小林光一九段ペア


梅沢由香里初段
武宮正樹九段ペア



● 第1回戦対局組み合せ決定 ●
12月14日


  趙   治勲  
(棋聖・名人・本因坊)
CHIKUN CHO
(KISEI・MEIJIN・HONINBO)
  祷   陽子  
(二段)
YOKO INORI
(2-dan)
VS
  加藤  正夫  
(九段)
MASAO KATO
(9-dan)
  青木 喜久代  
(六段)
KIKUYO AOKI
(6-dan)
‥‥









‥‥



















‥‥








































‥‥
  優  勝  
CHAMPIONSHIP
  石井  邦夫  
(九段)
KUNIO ISHII
(9-dan)
  小西  和子  
(五段)
KAZUKO KONISHI
(5-dan)
VS
  小林  光一  
(九段)
KOICHI KOBAYASHI
(9-dan)
  小林  泉美  
(初段)
IZUMI KOBAYASHI
(1-dan)
‥‥
  結城   聡  
(八段)
SATOSHI YUKI
(8-dan)
  知念 かおり  
  
(二段)
KAORI CHINEN
(2-dan)
VS
  小林   覚  
(九段)
SATORU KOBAYASHI
(9-dan)
  金    艶  
  
(初段)
YAN JIN
(1-dan)
‥‥









‥‥
  大竹  英雄  
(九段)
HIDEO OTAKE
(9-dan)
  佃  亜紀子  
(初段)
AKIKO TSUKUDA
(1-dan)
VS
  王   立誠  
(九段)
RISSEI O
(9-DAN)
  宮崎 志摩子  
(三段)
SHIMAKO MIYAZAKI
(3-dan)
‥‥
  小松  秀樹  
(九段)
HIDEKI KOMATSU
(9-DAN)
  矢代 久美子  
(初段)
KUMIKO YASHIRO
(1-dan)
VS
  柳   時熏  
(天元・王座)
JIKUN  RYU
(TENGEN・OZA)
  中澤  彩子  
(女流鶴聖)
AYAKO NAKAZAWA
(WOMEN'S KAKUSEI)
‥‥









‥‥



















‥‥
  武宮  正樹  
(九段)
MASAKI TAKEMIYA
(9-dan)
  梅沢 由香里  
(初段)
YUKARI
UMEZAWA
(1-dan)
VS
  林   海峰  
(九段)
KAIHO RIN
(9-dan)
  加藤  朋子  
(四段)
TOMOKO KATO
(4-dan)
‥‥
  山城   宏  
(九段)
HIROSHI YAMASHIRO
(9-dan)
  青葉 かおり  
(初段)
KAORI AOBA
(1-dan)
VS
  石田  芳夫  
(九段)
YOSHIO ISHIDA
(9-dan)
  穂坂   繭  
(二段)
MAYU HOSAKA
(2-dan)
‥‥









‥‥
  依田  紀基  
(十段・碁聖)
NORIMOTO YODA
(JYUDAN・GOSEI)
  岡田 結美子  
(四段)
YUMIKO OKADA
(4-dan)
VS
  本田  邦久  
(九段)
KUNIHISA HONDA
(9-dan)
  吉田  美香  
(女流本因坊)
MIKA YOSHIDA
(WOMEN'S HONINBO)
‥‥

一流プロ棋士が男女でペアを組んで対戦する夢の対局 『リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権』の対局組み合わせ発表会が 去る11月19日、東京・飯田橋のホテルエドモントで開催された。三年目を迎えた今大会も東西の男女実力派が勢ぞろい。 「新鮮で、なごやかな雰囲気がいい」と心待ちにしていたプロ棋士も多い。 今回もペア囲碁独特の華やかでスリリングな対局を囲碁ファンに見せてくれそうだ。

リコー杯開催を発表する吉国一郎
(財)日本ペア囲碁協会会長
今回の顔ぶれは別表のとおり、男女のプロ16ペア、32人が出場する。 男性は趙治勲棋聖・名人・本因坊を筆頭に、実力高段者がズラリと名を連ねる豪華版。 また、女性は若手精鋭ばかりが集うフレッシュな顔ぶれとなっている。
加藤正夫九段・
青木喜久代六段ペア
武宮正樹九段・
梅沢由香里初段ペア
小林光一九段・
小林泉美初段ペア
依田紀基十段・碁聖・
岡田結美子四段ペア
ペアは前回優勝の小林光一九段と小林泉美初段の“親子ペア”を除き、すべて抽選。 ドリームマッチとあって、次々と新しいペアが決まるたびに、会場に駆けつけたプロ棋士たちの間からも歓声があがっていた。 加藤正夫九段は、青木喜久代六段とのペアに決定。加藤九段が「青木さんはパワーがある。わたしも負けないようにがんばります」 と言えば、青木六段も「私のミスは加藤先生にフォローしてもらいます」と、さっそく健闘を誓いあった。 武宮正樹九段は、NHK杯囲碁トーナメント司会を務める梅沢由香里初段との組み合わせ。梅沢初段が「武宮九段はやさしそうな人。 何をやっても許してくれそうで頼もしいです」と感想を述べると武宮九段は「いい男と、いい女のペアだね。 仲良くいこうよ」と早くも息はぴったり。周囲に笑顔を振りまいていた。
一方、昨年の覇者、小林光一九段・小林泉美初段ペアは今回も親子での出場。光一九段が「前回は娘のおかげ。 今回は私もがんばらないと」と言えば、泉美初段も「小さいころハワイに一度行っていますが、記憶にないので、 ぜひ決勝戦の行われるハワイに行きたいです」と2年連続優勝に意欲をのぞかせた。
あいさつする浜田広リコー会長を囲んで
健闘を誓い合うプロ棋士たち     
ユーモアたっぷりに司会を務めた白江治彦七段らの下馬評によると、優勝候補には小林親子ペアのほか、 依田紀基十段・碁聖と岡田結美子四段ペア、林海峰九段と加藤朋子四段ペアらの名前があがっていた。