リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権

● リコー杯1998 第1回戦・第2回戦 ●

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 年末年始のお楽しみイベント、リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権1998が12月6日、北青山のテピアホールで行われた。トッププロ16組がスイス方式で戦い、トーナメント戦にエントリーする8組を選出。ふだんの対局の厳しさはなく、どこか楽しんでいるような男性棋士と、必死でついていこうとひたむきな女性棋士の取り合わせ、半数が笑い、半数が泣く。はたしてトーナメントに進出するのはどのペアか。

開会式で挨拶する
吉國一郎日本ペア
囲碁協会会長
    

スポンサー代表と
して挨拶する酒井清
(株)リコー取締役
経営企画室室長

来賓代表として挨
拶する浅野毅日本
棋院副理事長
    

司会の
白江治彦七段
    
    

 過去の優勝ペアは、第1回橋本昌二九段・小西和子五段、第2回小林光一九段・小林泉美初段、第3回結城聡九段・知念かおり二段。棋風の合うと言われるペアが優勝しているが、今回はどうだろうか。

立ち会いの小川誠子六段

対局ペア同志握手をして第1回戦へ
 先ず、1・2回戦を2勝で勝ち抜きトーナメントに駒を進めたのは大竹英雄九段・小林泉美二段ペア、加藤正夫十段・矢代久美子二段ペア、片岡聡九段・西田栄美女流名人ペア小林覚九段・梅沢由香里初段ペアの4組。中でも注目を集めていたのが大竹・小林ペア「しっかりと打っていました。光一くんから預かっているので、泉美くんに他の大先生と対戦する機会を、できるだけ設けてあげたい」と大竹九段は保護者の心境、確かな手応えを感じていたようだ。泉美二段も「安心して打つことができました」とにっこり。安定感のある試合運びに、「本命か」と囁かれるようになった。

注目の一戦に観衆も固唾を飲む

身近で人気棋士を。公開対局ならではの光景
 一方、ファン投票によるベストドレッサー賞も獲得した小林・梅沢ペア。「碁よりもこの賞を狙っていたので(笑)。こうなったら優勝するつもりです」と小林九段。梅沢初段は「1局目は手番を間違えましたが、なんとか勝っていました。2連勝はびっくりしています」小林九段はあとでペア碁の極意を「対局中、手の善悪を表情に出さないこと、ニコニコすることだけを心掛けた」と披露。ニコニコパワーは、プロアマ問わず、有効な作戦のようだ。
 1勝1敗のあと、決定戦で見事復活。トーナメントに進んだ趙治勲棋聖・名人・本因坊・吉田美香六段ペアは、始めのころ「趙先生の考えが全然わからなくて」と涙目だったが終わってみると「趙先生ってすごい。一生ついていきます」と吉田六段。手強いペアとなりそうだ。

ベストドレッサー賞に輝いた
梅沢由香里初段・小林覚九段ペア
 優勝、準優勝各1回の小西和子六段と、準優勝1回の石田芳夫九段のペアは、以外なことに2連敗。相性の善し悪しがでたか。前年優勝の結城聡九段も、決定戦で敗れ姿を消した。「ぼくのミスで、祷さんに悪いことをした」と頭を抱える。事前に本命と噂されていた結城・祷ペアだったが、棋風が合っているからいいというものでもないらしい。
 その外、トーナメント進出を決めたのは武宮正樹九段・岡田結美子四段ペア、山城宏九段・佃亜紀子二段ペア、本田邦久九段・青木喜久代七段ペアの4組。
 本命と囁かれる大竹・小林ペア、フィーリングの合う小林・梅沢ペア、勢いにのってき た趙・吉田ペアなど、それぞれ個性的なペアばかり。最後に微笑むのはどのペアだろうか。
 いよいよ12月20日、第3回戦・準決勝が行われる。


出場ペア(16組)

吉田美香六段・趙 治勲棋聖ペア

矢代久美子二段・加藤正夫十段ペア

中澤彩子四段・小林光一世界選手権者ペア

加藤朋子四段・依田紀基碁聖ペア

小西和子六段・石田芳夫九段ペア

青葉かおり初段・林 海峰九段ペア

小林泉美二段・大竹英雄九段

梅沢由香里初段・小林 覚九段ペア

岡田結美子四段・武宮正樹九段ペア

巻幡多栄子初段・石井邦生九段ペア

西田栄美女流名人・片岡 聡九段ペア

佃亜紀子二段・山城 宏九段ペア

穂坂 繭二段・王 立誠九段ペア

原 幸子三段・王銘エン九段ペア

青木喜久代七段・本田邦久九段ペア

祷 陽子三段・結城 聡九段ペア
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