■リコー杯 1・2回戦 |
ベストドレッサーはいぶし銀ペア |
さて、祭典らしいイベントといえばベストドレッサー賞だ。「ここ一番」というときに正装する依田紀基名人は、この日和服姿で登場するなど気合十分。 |
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そしてファンの投票で賞に輝いたのは、次点の知念かおり・武宮正樹ペアに3票差をつけた吉田美香・東野弘昭ペアだった。 | ||
グレー系統でまとめた服装は、華やいだ会場のなかにあって落ち着いた雰囲気をかもし出していたが、それがファンの心に染み入ったようだ。 | |
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重量級対決 |
準々決勝の枠は別表の通り決まった。果たしてこの中からどのペアが決勝に勝ち残ってくるだろうか。2回戦を終えた時点で、ファンに向けた選手の声をひろってみよう。 |
小林泉美四段と息のあったペアを組んだ25世本因坊治勲「(タイトルがどんどんなくなって)もう1人じゃ勝てなくなってる。泉美さん、末永くお付き合いのほどを」。 |
ペア囲碁の華やかさで気分良く勝ち進んだ 武宮正樹九段「いや、ボクは知念ちゃんと一度組みたかったから本当にうれしいんです。1回戦はほとんど1人で打ってくれたし、2回目も接戦を勝てて幸せです」と笑顔が絶えない。 |
つい先日、天元戦五番勝負で、3局連続で半目負けを喫したばかりの小林光一十段「いやあ、最近半目負けが多いんです。きょうも2局目に半目負けしたときはダメかと思いましたが、新しい規定のおかげで半目勝ったようですね。矢代さんとの息は合ってると思います」と一安心したよう。 |
各選手のなかで、飛びぬけて喜んでいたのは小川誠子六段だった。「私は4回目の出場なんですが、じつは一度も勝った経験なかったんです。先日は夢にまでペア碁がでてきて、夢では勝つことができたんです。きょう2局目に勝つことができてうれしい」。 |
それぞれ思い思いのコメントを披露してくれたが、とくに男性棋士には優勝に向けた気合が感じられた。それは1、2回戦の棋譜にも現れている。準々決勝、準決勝は12月9日、TFTホールで。文字通り、プロ碁界の今世紀最後の取り組みだ。 |
(取材:横内 猛) |