リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権
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各ペアを代表して、金艶三段と加藤正夫九段ペア、岡田結美子四段と長谷川直九段ペアが挨拶。
「私、まだ弱いから…。加藤先生、よろしくお願いします」
 加藤「いろいろ計算してみたんだけれど、どうも一勝一敗では上に行けない。二連勝目指して頑張ります」
岡田「私はここにいるメンバーの中で一番幸運なんです。青木喜久代さんが出産で出られなくなり、繰上げで参加できることになったんですから。運のよさだけは、持ちあわせています」
長谷川「碁の強さなんて、関係ありません。問題はペアの息があっているかどうか。関西の男性はやさしいんです。この大会だけは、関西棋院の成績が抜群なはずです」
最後にペア碁のベテラン、石田芳夫九段と加藤正夫九段に話を聞いた。
―――ペア碁のコツは?
石田「やっぱり、下位者が上位者にどうついていくかが鍵。上位者は相手の特長や思考を考えてリードしないと」
加藤「僕ねえ、なんだか年々、ペア碁がうまくなってきたの。やっぱり慣れもあるのかなあ」
石田「形成判断が二人、合っているといいんだけれどね」
加藤「どちらかというと、楽観派の方がいいみたい」
石田「女性のほうが公開対局に慣れていないし、実力を出し切れないところはあるかもね」
―――真剣勝負ですか。
石田「もちろん。碁盤に向かえば。棋士の習性です」
加藤「勝負が始まれば真剣です。前後は和やかに話したりするけれど」
―――ペア碁の楽しさは?
石田「たくさんあるけれど、自分がいかにリードできるか。うまくいったときは、いいねえ。耐える楽しみというのも…」
加藤「自分のペースで碁が進まないところかな」
―――やっぱり男同士で組んだのでは楽しくない?
二人揃って「当たり前でしょ!険悪になっちゃう!」
トップ棋士32人が繰り広げる、華やかな真剣勝負。リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権2002、1・2回戦は、12月8日、東京・外苑前のテピアホールにて行われる。
構成・取材:囲碁観戦記者 石井妙子