リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権
report
■リコー杯 決勝戦
「二人で打った気がしません」と趙王座。
「優勝も嬉しいけれど、来年また趙先生と組めるのが嬉しいです(優勝ペアはペアを解消せず次期大会に出場する)」と祷五段。
残念ながら連覇は適えられなかった楠・依田ペア。
依田名人はマイクを向けられると、「ペア戦は勝ったら喜び二倍、負けても悔しさ半分、って良く聞きますけれど、あれは嘘です!僕、今、ショックで言葉が出てきません。でも、趙先生が碁に勝って喜ぶ姿を見るのは初めてだから、何だかそれは嬉しいです」。と、複雑な心境?
リコープロ棋士ペア囲碁選手権2002は、祷・趙ペアの優勝で幕が下りた。なお優勝賞金の一部はチャリティーとして囲碁用品を全国の小・中学校に寄贈するための基金として運用される。
これは試合終了後のパーティーでの四者のことば。
 祷 「明日から日本の代表として国際棋戦に出るため中国に行きます。今日の勝利を体験して、簡単に負けるわけには行かないと決意を新たにしました」
 趙 「こういう試合があることに感謝しているし嬉しくも思う。私たちプロは常に囲碁に精進することでしか、ファンにもスポンサーにも感謝の意は伝えられない。これからも頑張りたい」
 楠 「何だか終わった直後より、だんだん残念な気持ちが強くなってきました。また頑張ります」
依田 「ペア戦で勝つために必要なことは信頼とコミュニケーション。楠先生は、このいいかげんな僕を心から信頼して打ち進めてくれました。だから僕も、それに答えようと頑張り、それでここまでいい結果が出せたのだと思います。今日の祷・趙ペアにもそれを感じました」
熱戦と名場面を数多く残して、リコー杯プロ棋士ペア囲碁2002は全ての日程を終了しました。皆さん、来年もどうぞお楽しみに。
取材・構成:囲碁観戦記者 石井妙子