握って先番となったのは祷・治勲ペア。 |
低い中国流の布石を選んでのスタート。後で聞いたことだが、吉田・小林ペア、中国流だけは予想していなかったそうだ。白8に対し黒は左下隅にカカった。黒21まで一段落したところで、今度は白22と右上隅に展開。 |
黒27は28と迷うところ。実戦を打ったのは二十五世本因坊治勲だったが、「この手が良くなかったね。やっぱり黒28だった」とは本人の局後感想だ。 |
右辺の中国流の構えに対し、白は42とツケて、ここから激しいことになった。祷・治勲ペアにとっては得意な展開。白を一気呵成に攻め立てる。 |
白96と大場に回られたところで、黒は97から再び右下隅に手をつけてきた。黒105から109と切って手に汗握る状況。 |
ここから左下隅は大きなコウになった。これは黒よりも白の方がダメージの大きいコウ。そこで黒131に対し白132と抜き、黒133のコウ立てに対して134と打ってコウの解消を急いだ。 |
これで右下隅の黒は取られたものの、左上隅は黒に三手かけられることに。この振り代わりは「黒が得したでしょう」と大竹九段。 |
しかしながら、ここから白の猛追撃が始まる。非勢を意識した吉田・小林ペアの迫力に負けたのか、祷・治勲ペアが緩みだす。 |
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白166と助けだし、左上隅も白170と三々入りして大きく荒らした。 |
もしかして逆転か、という矢先、白172から戦いとなった。 |
白は中央を荒らして下辺の白と連絡する目論見だった。しかし、ここで読み違えてしまう。 |
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白184で8の14に打っていれば、下辺と連絡できたのだが、実戦は184とオサえてしまったために、この白の一団が丸々、黒に飲み込まれてしまうことになった。黒187手を見て、小林碁聖が投了を告げた。 |
これにより祷・趙ペアが二連覇を達成、戦いに次ぐ戦いを制しての勝利だった。 |