Pair Go RICOH CUP 2006 〜リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2006〜
大会レポート Tournament Report
< 準々決勝戦、準決勝戦 >

1、2回戦から一週あけた12月10日(土)、リコー杯プロペア碁選手権の準々決勝・準決勝が、恵比寿ザ・ガーデンホールで行われた。大会初日同様、子供からお年寄りまで大勢の囲碁ファンがつめかけ、開場と共に大盤解説開場がたちまち満員となる盛況ぶり。トッププロ男女32名、16組の大熱戦の末、大会2日目に駒を進めた8組のペアの熱い一日をレポートしよう。




棋士控室に最初に到着したのは、小林覚九段。「僕だけじゃなくてね、皆気合が入ってるよ」と小林九段。この一週間に、勝ち残っている何人もの男性棋士たちの口から「優勝宣言」を聞いたそうだ。
数日前に「女流最強位」のタイトルを獲得した小林泉美六段は爽やかな笑顔で夫君、張栩名人・王座と到着。依田紀基碁聖は、大会初日と同様、勝負服・和服で現れた。控室がだんだん賑やかになってくる。
趙治勲十段は、談笑している矢代久美子女流本因坊、万波佳奈三段、鈴木歩三段に「皆さん、勝ち上がられたんですね」とおどけながら到着した。



しばらくは、1、2回戦を勝ち抜いた「功績」を互いに讃えあう光景…

小林九段
「趙先生、よく勝ち上がってきましたね。(一回戦で大石を取られ短手数で投了したので)てっきり、もう『落ち』かと思ってましたよ」
趙十段
「アレで、悪いものは全部出し切ったから(笑)。9路盤は『運』だね」。
小林九段
「関西の人にとっては、『運』ではなく、『研究済み』だそうですよ」
結城聡九段
「ええ。一応、銘エン先生の3手目を敗着にさせた、会心の一局でした」
趙・小林「へー!!」

やがて、誰からともなく自然に各ペアに分かれて、それぞれの作戦会議が始まった…

小林泉美女流最強位
「わかりやすい手は残しておいてくださいね」

山下敬吾天元
「残しませんよ。どんどん打っていきます」(二人、笑い)

かつて優勝経験もある、泉美・山下ペアは、キャンディーを4つテーブルに置き(ペア2組に見立てて)、「この人が悪い手を打つと…」「この人が咎めることになって」と、改めて男女の手順の確認もしていた。

依田碁聖と矢代女流本因坊は談笑。「作戦は?」と声をかけると、「いや、作戦なしでも十分かなって」と満面笑みの依田碁聖の返答が戻ってきた。
気心知れた関西棋院同士の小西和子八段・結城聡九段ペアも作戦は不要とばかり仲良く雑談。小西八段は「(こっそり)練習してると思われてるんですけど、実は何にもしてません。(笑) 先週は一勝一敗。この間みたいにポキッと折れないようにがんばります!」


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