作戦を立てても仕方ない、出たとこ勝負だ。と落ち着いた構えの棋士たちも見受けられた。武宮正樹九段は「青木さんとは、僕、棋風が似てると思うんだよね」と目を輝かせながら、気合十分な表情。青木喜久代女流名人は、「武宮先生とペアを組むのは初めてなので、ものすごく楽しみなんです。どんなものができるのか(笑)。勝つことより楽しんじゃいそうでどうしよう」
初出場で緊張気味の謝依旻三段に、変わった作戦を伝授していたのは矢代久美子女流本因坊。
矢代「覚先生が一手打つごとに、うなずきなさい。そうすれば、覚先生が安心するから」
謝依旻「はい。わかりました。うなずきます」
かくして、12時。開会式の時刻となった。 |