『ペア碁競技』観戦レポート【7】 第5回国際アマチュア囲碁選手権
日本の平岡ペアは惜しくも入賞を逃しましたが、「結果は残念でしたが、いろいろな国の方ととても楽しく交流できてよかったです」と笑顔で話していました。
午後3時。いよいよペア碁の決勝戦がスタートしました。
「やはり、決勝戦ともなると、堅くなるのかな」と控室で小林九段や今村九段。中華台北ペアが堅くなっているのが打つ手に現れているようです。中盤に入る頃には、白番の中国ペアがはっきり優勢を築きました。
終盤に入ると、中国ペアが勝勢を意識して、手堅く手堅く打ち進めます。白の手に思わず今村九段が「厚い!」と驚きくシーンも。「世界一厚い今村先生が“厚い”と言うからには、よほど厚い手なのですね」という声があがりました。
勝機をさぐろうと黒が放った勝負手を、白がとがめて勝敗が決着。中国の黄・范ペアが中押し勝ちで金メダルを獲得しました。
3位決定戦は、韓国の温・李ペアが中国の兪・李ペアを下し、銅メダルを獲得しました。
優勝インタビューに答えて、范二段は「嬉しいです」と緊張した顔が思わずほころんだのに対して、黄六段は「意外に嬉しいです。あまりプレッシャーを感じていなかったのが、いい結果につながったと思います」と淡々と喜びを語っていました。「どの対局が一番苦しかったですか?」という質問には、両者から「小林先生との一局が一番厳しかったです」という答えが返ってきました。お互いに「ペアがよく打ってくれたので」と相手をたたえ合い、信頼関係の勝利を印象づけたインタビューでした。
惜しくも銀メダルとなった中華台北ペアの感想は…
謝四段「ペア碁は練習していないのに、ここまでこれたのは周さんのおかげです。大会前も周さんには早碁も教えていただき、感謝しています。でも、やはり金を獲れなかったのは残念でした」
周「銀は嬉しく思いますが、決勝戦の碁があまりよくなかったので、少し残念です」
午後7時。男子団体戦の表彰式に続いて、ペア碁競技の表彰式がとり行われました。
男子団体戦では、日本チームは銅メダルを獲得。長い戦いおつかれさまでした!
ペア碁の表彰式では、范二段の満面の笑みが、さらに会場の拍手を誘っていました。終始ポーカーフェイスだった黄六段も、花束を振って拍手に応えるときには素晴らしい笑顔を見せていました。(writer:高見亮子)