■リコー杯2000 決勝戦 |
初優勝!! |
リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権2000の決勝戦が、年が明けた1月8日、大阪・中央区の「IMPホール」で行われた。大阪決戦を演出するかのように、決勝に進出したのは吉田美香六段・東野弘昭九段の関西棋院ペアと、穂坂繭二段(兵庫県淡路島出身)・山田規三生七段(日本棋院関西総本部)ペア。この日大阪は、みぞれまじりの冷たい雨の降る肌寒い朝を迎えたが、悪天候にもかかわらず、756名もの観客が詰め掛け、注目度の高さを示した。大観衆に見守られた決勝戦は、二転三転の手に汗握る大熱戦の末、吉田・東野ペアが166手までで白番中押し勝ちを収め、栄えあるミニレアム・チャンピオンの座に輝いた。 |
IMPホール外観 |
IMPホール入り口 |
IMPホール屋上から見える大阪城 |
決勝戦の前夜、山田七段は親しい関係者にこう漏らしている。「明日の夜は(ボクのおごりで)パーッと行きましょう」 勝利宣言のようなものだ。これまで山田七段は「初日を突破できるとは思っていなかったので、気楽にやっています」という感じだったのだが、ファイナル・ステージへたどり着いて、目の色を変えてきた。ペアを組む穂坂二段も「師匠のところ(小林光一十段・天元・碁聖、泉美女流棋聖の親子ペア)は二人合わせてタイトルが6つもあるのに、うちは足して九段だから」と周囲を笑わせていたが、「次回もキミオくんと出たい」と控え目ながら意欲十分。優勝ペアは、次回も引き続きペアを組むという規定があるので、暗に「優勝」をほのめかしている。 |
決戦前夜の4人 |
一方の関西棋院ペア。東野九段は、決勝対局者4人中、1人だけ年が離れているせいか、抱負らしきものは語らず、普段通り飄々としていたが、吉田六段が二人分に値するアドバルーンを打ち上げた。「明日はゼンゼン負ける気がせーへん」「ちゅうか、東野先生が勝手に勝ってくれそう」 4人とも精神状態は充実しているようだ。ただ、穂坂二段が治りかけのカゼを引きずっているのが少し気がかり。 東野九段と山田七段は自宅で、吉田六段と穂坂二段は用意されたホテルで、それぞれ翌日の決戦に備えた。 |
つづく |