リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権
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会場から笑いとどよめき
会場から笑いとどよめきパートナーの抽選は、まず欠席者の分から決める。吉国会長ら関係者が代理で抽選ボールを箱から取り出し、次々と枠のなかに棋士の名前が書き込まれる。
まず会場をわかせたのは、小川誠子六段が小林泉美四段の代理でボールを引いたときだった。前回まで2年連続で光一・泉美の親子ペア誕生が話題になり、「3年連続はあるのか」が一つの焦点になっていた。小川六段の引いたボールは「H」。なんとその枠には二十五世本因坊治勲の名前がすでに書いてある。その瞬間、会場に笑い声が響く。

二十五世本因坊治勲といえば光一十段のライバル。しかも喜怒哀楽の激しい二十五世本因坊治勲は、過去の大会でもことあるごとに感情を爆発させている唯一の棋士だ。初日に2連敗して、「もうこの大会にボクを呼ばないで」と言って、プイと会場から立ち去ったこともある(このときはすぐ引き返してきて、ファンサービスのために大盤解説を買って出たのだが……)。この気性の激しい二十五世本因坊治勲、泉美四段とどんなコンビプレーを見せてくれるだろうか。初日のこのペアは見逃せない。

懸案の組み合わせ、これは加藤九段が自ら引き当てた。会場のどよめきで事の次第に気づいた加藤九段、
「えっ、杉内先生?完璧じゃない」
うれしいような恥ずかしいような、なんともいえない笑顔で席に戻る。

パートナーも決まり、1、2回戦の対戦相手も内規にしたがって別表のように確定した。この顔ぶれで今回はどんな展開を見せるだろうか。石田九段が予想する。