■リコー杯 1・2回戦 |
対局場に新しい工夫 |
リコー杯の観戦に700人を超えるファンが詰めかけたが、これまで何度も観戦経験のあるファンから「今年はちょっと違うな」という声がちらほら聞こえてきた。まず大会の案内パンフレット。総勢32人の写真が並ぶ。この大会のために新しく撮影されたもので、カメラマンは大畑重男氏。長くプロ碁界を撮りつづけてきたベテランカメラマンがレンズを向けると、棋士はこんな表情を見せてくれる。 |
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そして、会場に設置された16台の大きなテレビモニター。各対局コーナーに2台ずつ置かれ、碁盤を大きく映し出している。これが力を発揮した。 | ||
公開対局であることは例年変わりないが、じつは盤面をナナメから見ると、意外に局面の様子がわかりにくい。そこで「対局の雰囲気は直接その場で」、さらに「局面の動きもその場にあるモニター画面で」ということになったらしい。これはファンにとってありがたい配慮だった。 |
となりの会場に行くと、工藤紀夫九段が汗だくになって大盤解説をしている。そこに行けば、各対局が「どんな状態であるか」「難しい攻め合いはどちらが有利なのか」すぐわかる仕組みになっている。ここで情報を仕入れて再び対局会場へ──という具合だ。 |
また、記録係りが直接棋譜をパソコンに入力し、ダイレクトにそれがインターネットに通じていて世界最大級のインターネット囲碁サロン「パンダネット」にて世界100ヶ国へライブ中継されている。また、そのパソコンで打ったきれいな棋譜を帰りの際にスポンサーであるリコーの協力でコピーしたものを渡してくれていた。ファンサービスの仕組みもここまで進化してきたのかと感心させられる。 |