リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権
report
■リコー杯 決勝戦
さて、対局再開。
封じ手の黒69の発表にどよめきが起こった。
武宮九段が予想した手でもあり正解者はかなりの人数に登った模様だった。
勝負はどうやら「半目勝負」になりそうな様子。
だが、ここで今度は白に疑問手が出た。
黒129に対し白は先手で左上隅の黒に寄り付くことができると踏んで130と打ったのだが、これは勘違い。白は慌てて132と手を戻した。
黒は131を利用して左上隅で得をはかった。ところが黒も139が小さく、白に140に回られて再び両者の差は再び細かくなった。
だが、黒がわずかに厚いか、という形勢。
ところが、碁も終わろうかという最後の最後で誤順が発生。
趙王座の手番で、祷さんが打ってしまったらしいのだが、楠・依田ペアもそれに気づかず、打ち続けてしまった。誤順はその場で指摘すれば、相手に三目のペナルティを課すことができる。
が、一手でも応じてしまったら、もうペナルティは要求できない。
この場合は、4人とも誤順に気づかずしばらく打ち進めており、規定によりペナルティは課せられなかった。
198手で終局。黒の2目半勝ち。祷五段と趙王座が互いの顔を見つめあった。二人の顔に満面の笑みが広がってゆく。普段の対局では、勝っても喜びの表情を見せない趙王座だが今日は違う。嬉しさを全身で表している。