今年も、会場にはたくさんのファンがつめかけた。すぐ目の前で、しかも息の音が聞こえるほど間近でトッププロの碁を観戦できる…こんな機会はこの大会をおいてはないこと。来場するファンが年々増えていくのもうなずける。 また、大盤解説会場では、今年から80インチの大モニターが導入された。今までの4倍の画面とあって、目を凝らさなくてもよーく見える。大盤解説会場は、用意されていた椅子では足りず、どんどんどんどん椅子が追加されていった。 |
決勝トーナメント表 |
さて、開会前の棋士控室。一人、また一人とトッププロたちが集まってくる。 最初に揃ったペアは、横田茂明九段と知念かおり女流本因坊。 知念「よろしくお願いします!」 横田「こちらこそよろしくお願いします。私は、ただ、ついてまいります」 と簡単な(?)作戦会議を済ませた。 朝から意気込みを感じ取れたのが、小林光一九段。王立誠十段にあれこれ話しかけている。 小林(光):「この大会で、優勝したことある?」 王(立):「ありません(笑)」 小林(光):「決勝に行ったことは?」 王(立):「ありません(笑)」 武宮正樹九段と王銘エン九段は衣裳談義だ。 武宮:「素晴らしいね、そのネクタイは!」 王(銘):「先生は、地味に決めてらっしゃいますね!」 その武宮九段、それからしばらくすると、ペアの岡田結美子六段の元へ。 岡田:「色を揃えてきました!」(どうやら、前日に衣裳打ち合わせがあったらしい) 武宮:「みんなに地味だ地味だっていわれるんだけど…」 岡田:「そんなことありませんよ。ステキです」 武宮:「(パッと笑顔になり)そうだよね!」 はじめのうちこそ、「お願いします」「難しいことはしないでくださいね」などと簡単な打ち合わせを交わしていたのだが、いよいよ対局時間が迫ってくると、あちらこちらのペアが具体的な作戦会議を始めた。みんな、「本気」なのだ。 岡田:「三連星で…?」 武宮:「いや三連星はやめよう」 王(銘):「模様は苦手だよね」 梅沢由香里五段:「ええ、最近は」 王(立):「小目は定石になっちゃうから…」 加藤啓子四段:「(笑)変な作戦会議!」 手厚い本格派で棋風の似ている青木喜久代八段、三村九段ペアはわりあいあっさりめ。 青木:「手厚く打った方が。死んだらおしまいだから」 三村:「じゃあ、ゆっくりということで。普段どおりでよさそうだね、我々は」 対局開始ぎりぎりに登場した依田紀基碁聖には、加藤朋子四段が「よかった! もう、来てくれないのかと思いました!」 |
出場棋士の面々 |