リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権2005
report

会場の長安大戯院

さて、いよいよ決勝当日。 対局前のインタビューに答えて、加藤四段は「気合を入れ過ぎないように、がんばります」、王十段は「よく決勝まできたなという思い。気楽に打ちたいです。作戦? それは内緒」と加藤四段とにこやかに顔を見合わせた。その後、王十段は、三村・青木ペアへのインタビューにも耳を傾ける。「相手の作戦も聞いておかないと(笑)」。
三村九段は「僕らの作戦はいつも少しだけ。青木さんがどっしりと落ち着いているので、僕はついていくだけです」と言えば、青木八段は「足を引っ張らないようにします」。棋風が似ているので作戦を立てるまでもないという、余裕の構えと受けとれた。王十段はうなずきながら、こちらも自信の表情だ。

その後、関係者を交えた昼食会。日本ペア囲碁協会理事の滝裕子氏が「念願の北京対局が実現して本当に嬉しい。これを機に、中国棋院院長の王汝南八段をはじめ中国の皆様にペア碁の楽しさを知ってほしい」と挨拶し、これに「北京での開催を心より感謝いたします。中国の囲碁ファンがペア碁に魅了され、ペア囲碁がこれから益々発展することを確信しています」と暖かい歓待の挨拶で王院長が応えた。
ちなみに、この後の乾杯では、「一口だけ」と、三村・青木ペアのグラスにはビールが注がれたが、王・加藤ペアは「対局前は、アルコールは禁止」とジュースを注文していた。


対局前の昼食会風景

対局前の昼食会風景

対局開始を前にもう一つセレモニー。記者会見だ。滝理事が、ペア碁の歴史、リコー杯の歴史と今大会の決勝までの道のりを紹介し、王院長がペア碁の魅力と日中交流の大切さを心のこもった言葉で語った。五十人以上もの報道陣がつめかけ、中国囲碁ファンの関心の深さが知らされた。

対局前の記者会見

対局前の記者会見

ごあいさつ
王汝南 中国棋院院長

主旨説明をする
滝裕子 (財)日本ペア囲碁協会理事