さて、いよいよ決勝当日。
対局前のインタビューに答えて、加藤四段は「気合を入れ過ぎないように、がんばります」、王十段は「よく決勝まできたなという思い。気楽に打ちたいです。作戦? それは内緒」と加藤四段とにこやかに顔を見合わせた。その後、王十段は、三村・青木ペアへのインタビューにも耳を傾ける。「相手の作戦も聞いておかないと(笑)」。
三村九段は「僕らの作戦はいつも少しだけ。青木さんがどっしりと落ち着いているので、僕はついていくだけです」と言えば、青木八段は「足を引っ張らないようにします」。棋風が似ているので作戦を立てるまでもないという、余裕の構えと受けとれた。王十段はうなずきながら、こちらも自信の表情だ。
その後、関係者を交えた昼食会。日本ペア囲碁協会理事の滝裕子氏が「念願の北京対局が実現して本当に嬉しい。これを機に、中国棋院院長の王汝南八段をはじめ中国の皆様にペア碁の楽しさを知ってほしい」と挨拶し、これに「北京での開催を心より感謝いたします。中国の囲碁ファンがペア碁に魅了され、ペア囲碁がこれから益々発展することを確信しています」と暖かい歓待の挨拶で王院長が応えた。
ちなみに、この後の乾杯では、「一口だけ」と、三村・青木ペアのグラスにはビールが注がれたが、王・加藤ペアは「対局前は、アルコールは禁止」とジュースを注文していた。
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