Pair Go RICOH CUP 2006 〜リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2006〜
大会レポート Tournament Report

そして対局が始まる。
「握り」の結果、小林泉美・山下敬吾ペアが黒になった。
対局中でもカメラのフラッシュが光り、テレビのカメラも対局者に向けられ続けている。

序盤は小林女流最強位の得意な布石に山下九段が合わせた。
武宮「でも、得意といっても夫婦で勉強してるんですからねぇ・・・」



中盤戦の入り口で、小林が厳しくしかけた。
武宮「決断の一手です」
会場が息をのむ。


そこから激しい攻防が続き、観客も手に汗を握りながら、局面のゆくえを見守っている。

武宮「これはもうなるようになりますね」
「すごいことになりました。この手(が原因)ですね。これは泉美ちゃんかなぁ」
「(お腹に子供がいるので)やはり、恐ろしいパワーを感じますね。

中盤の戦いで黒の小林・山下ペアが優位に立つと、
武宮「白の姿が重い… 重いけど形勢はどうか?ということはあります」
小川「気持ちよく打って、数えてみると…(負けている)ということはありますか?」
武宮「よくあります(苦笑)」

しかし、実際に黒がリードを広げた。
このまま終局するのか?というところで、黒の地中に白の鈴木・張ペアが勝負手を放った。
観客の興奮は最高潮に達する。
武宮九段も「いやーこれはすごいことになっています」と状勢判断も容易ではない様子。
武宮「もうわかりませんねー。どっちが勝ってもこれだけ戦えば本望でしょう。」
小川「あ、山下くんが頭を抱えていますね」
武宮「解説していても目が回ってきました(笑)」



白の勝負手が効を奏し、鈴木・張ペアが逆転に成功。小林・山下ペアが投了した。
すばらしい激戦に、終局後、期せずして会場から大きな拍手がわきあがった。
小川「本当に最後の最後まで、素晴らしい戦いでした」



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