一回戦を終え、反省と作戦会議に向かっていたのは、小川誠子六段・小林光一九段ペア。お二人は兄弟弟子でもあり、会話が途切れることなく碁の話にムチュウになっていた。
梅沢由香里・河野臨ペアを下した加藤啓子五段・依田紀基九段ペアは、ホッと一息。「最初に私が薄くしてしまって」(加藤)、「最初は危ないかと思ったけど、態勢を立て直して」(依田)と、言葉少なに振り返っていた。
「難しい碁で、はらはらドキドキでした」とにこやかな笑みだったのは小林泉美女流最強位。ペアの趙治勲十段は「僕は打つ順番を間違えないように気をつけていただけ。何しろ泉美ちゃんが強いですから。私はソバにいるだけで。こんな幸せなことはないです」
ペア碁で勝ったことがない…という羽根直樹九段。そういえば昨年か一昨年、奥様に「たまには勝ってらっしゃい」と家を送り出されたという話を聞いたことがある。が、大沢奈留美三段とのペアは、小西和子八段・石田芳夫九段ペアに中押し勝ち。にこにこ顔の大沢三段の隣で羽根九段は「珍しい…!」 |