Pair Go RICOH CUP 2007 〜リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2007〜
大会レポート Tournament Report
< 準々決勝戦、準決勝戦 >

一週間前の熱戦の興奮がまだ冷めやらぬ12月9日(土)、リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2007の準々決勝、準決勝が、恵比寿ザ・ガーデンホールにて行われた。




あいにくの雨模様にもかかわらず、この日もおおぜいの囲碁ファン・ペア碁ファンが集まり、会場はまたたくまに熱気に包まれた。



対局前の控室は……「お正月はどこか行くの?」「家族で箱根に…」などという会話が聞こえてきたり、小林泉美女流最強位と岡田結美子六段、そして大盤解説会の聞き手をつとめる佃亜紀子五段のママさん三人組は、携帯電話にストックされたお子さんの写真を見せあったり、と和やかな雰囲気だった。


戦闘ムードの口火を切ったのは小林覚九段。ペアの謝依旻三段に隣に席を移動すると「作戦を立てようか」。謝三段も「はい!」とただちに応じた。作戦の中身に耳を澄ませると、「まあ、思い切っていこう。敵も戦いは嫌いじゃない。こちらも戦いをこわがらずにいこう。戦っていれば、負けないよね。勝ってる碁は戦ってるものね」(小林覚九段)。要は、「戦おう!」という作戦。ファンには目が離せない展開になりそうだ。

と、ここに対戦相手となる趙治勲十段が現れて「覚さんと謝さんが相手なの? あー。強敵だ。参ったな」と、少しも参っていない様子で声をあげた。ますます注目の一局だ。


謝依旻・小林覚ペアの「作戦会議」を横目に、山田規三生九段は「僕も戦う碁。ペア碁向きなんです。だから、たいてい2日目には残ります」。おっとりとした口調ながら、よーく聞くと強気な発言だ。
加藤啓子五段と依田紀基九段ペア、矢代久美子女流本因坊と結城聡九段ペアは、それぞれに談笑。「作戦は…立てたような立てないような、です」(加藤)
「去年の優勝ペアは余裕がありそうだね」という声に、鈴木歩三段は「いやいや全然。必死です」と答えていた。


大会初日に「勝つ気で打ってください!」と高尾紳路名人・本因坊にお願い(?)した吉田美香八段だが、この日も「せっかく遠いところから来たのだから、楽しませてね。一局は嫌よ」と、やはりお願い(?)。高尾名人・本因坊は思わず吹き出していた。

そして、いよいよ定刻。選手たちは、対局場へと向かっていった。




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