Pair Go RICOH CUP 2007 〜リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2007〜
大会レポート Tournament Report
< 決勝戦 >

トップ棋士男女16組32名による、囲碁界の夢の祭典――リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2007は、幾多のドラマを経ていよいよ決勝戦を迎えた。決勝カードは、鈴木歩三段・張栩碁聖ペア対、岡田結美子六段・山田規三生九段ペア。鈴木・張ペアの連覇なるか、あるいは、岡田・山田ペアがこれを阻み初優勝に輝くのか…2月3日、恵比寿ザ・ガーデンホールにて行われた熱い戦いをお伝えしていこう。



12時30分の開場を前に、会場には大勢のファンがつめかけた。開場するや、800席からなる椅子席がまたたくまに埋まっていく。入りきれないファンのために、隣室にもモニター画面での観戦ができるよう整えられてあったが、こちらも次々と席が埋まっていく大盛況ぶりだ。会場には、岡田六段の父上である安倍吉輝九段の顔も見受けられた。
最終的には1200人を超えるファンが観戦した本対局。心待ちにする対局開始を前に、控室に潜入すると…



鈴木・張ペアの控室をあけると、熱心に碁石を並べているお二人。「作戦はバッチリ立てました」と鈴木三段。「主に布石の作戦です」
どんな布石ですか? と尋ねると、鈴木三段は「見てのお楽しみ」。張碁聖は「僕の布石に合わせてもらってる感じです」。その後お二人は、作戦会議というより、布石の研究会と呼ぶ方がふさわしい専門的な勉
強会に突入。息がピッタリ合っているし、なにしろ一度も負けたことがないペアの自信がみなぎっていた。

隣の岡田・山田ペアの控室は開放的な雰囲気。ドアも開いたままだ。「鈴木・張ペアは作戦バッチリだそうですよ」と伝えると、岡田六段は「え〜〜」と悲鳴をあげたが、山田九段は「こっちも作戦バッチリです」。「そうでした。難しいことはしない。です」と岡田六段が加えた。その後は、山田九段の出題した難しい詰碁に岡田六段が頭を抱えていた。岡田「こんなふう

に、なかなか解けないと、私が自信がなくなるんじゃなくて、山田さんがだんだん不安になってきますよね(笑)」
こちらのペアは和やかな雰囲気で、山田九段のおとぼけキャラが笑いを誘う。
山田「とにかく、あまり気を使わないことですね。お互い」
岡田「私は使ってない…(笑)」
山田「え…使ってないんですか…!?」


それぞれのペースで、どちらのペアにも余裕が感じられるのが頼もしく、好局&熱戦を予感させる。




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