Pair Go RICOH CUP 2008 〜リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2008〜
大会レポート Tournament Report
< 準々決勝戦、準決勝戦 >

今年も華やかに開幕した「リコー杯プロ棋士ペア碁選手権」。十二月十五日には、準々決勝戦と準決勝戦が、恵比寿ザ・ガーデンホールで行われた。




大会初日から1週間、熱気と興奮は覚める間もなく、この日も会場は大勢のファンに埋め尽くされた。トップ棋士たちの熱い真剣勝負を、舞台裏の棋士たちの表情と共にレポートしよう。



さて、今年も、パンダネットのホームページ上で募集し、厳選な抽選で選ばれた3組の「親子レポーター」が、午前中から熱心な取材を始めていた。控室では、ちびっこ記者たちの質問に、棋士たちが一生懸命言葉を選んで答えている様子が印象的だった。
長野の竹中創太君(小4)は、趙治勲十段の大ファン。趙十段の前で感動のあまり「あ〜…すごい…」と小声を震わせていた。
創太君「小学校4年生のときは、どのぐらいの強さでしたか?」
趙「あなた、4年生なの?」
創太君「はい!」
趙「僕はね、小学生までは天才と言われてたんだよ。 中学生になってからは、ただの人になっちゃった」
創太君は、「本物か!と思って、もうドキドキして…」となかなか興奮が鎮まらない様子。一方、趙十段は、質問を得意のジョークでかわしたものの、創太君がいなくなったあと、
「急に暑くなってきちゃった」と緊張の汗をぬぐっていた。


東京の柳田隼君は、藤沢一就八段の子供教室に通う小学4年生。「4級までいったのですが、2級下がってしまって。今、6級です。週に1回だと、だめですね」とお母さん。隼君は「子供の頃はどういう囲碁の勉強をしていましたか?」という質問を、棋士たちに次々とぶつけていた。

「その頃は、まだネットがなかったので、近所の 碁会所に行っていました」と答えたのは、この日、 大盤解説会場で、マイケル・レドモンド九段と解説を担当した矢代久美子五段。

「ネットがない時代」から、さらに遡る小林光一九段は
「僕は、北海道の旭川というところで育ったんだけど、 碁会所が遠くてね。碁の本もあんまりなくて。 だから、週に1回、日曜だけ碁会所に通ってました。
そのかわり、日曜は朝から晩まで打ってました(笑)」

仙台の子供教室に通っている栗原康太朗君は、小学5年生で1級の腕前。
先週の感想を聞かれた謝依旻女流本因坊は「2局目は、まずい手をいっぱい打ってしまいました。9路盤の対局は、河野先生の読みに助けられて、なんとか勝てました」

康太朗君は、張栩名人と高尾紳路本因坊のファン。
二人とも大会初日で敗退してしまい、この日会うことはかなわなかったが「でも、今日はみんなに話を聞けたので、嬉しかった」と満面の笑みだった。


「そろそろ対局が始まります!親子レポーターの方たちは引き上げてください!」とスタッフから声がかかり、控室の棋士たちは戦闘モードに。
鈴木歩女流最強位「今日も残れるように、がんばります」
梅沢由香里女流棋聖「黄君と、気楽に楽しんで打ちたいです」
大沢奈留美三段「先週は2局ともシノギ勝負で(笑)。今日はどんな碁になるのか、さっぱりわかりません。趙先生にお任せします」
と、それぞれの豊富を語った。


控室から対局場へ向かう扉を通るとき、黄翊祖七段が「お先にどうぞ」と梅沢女流棋聖をうながし、梅沢「いやだ、ついていく」、黄「僕がついていきます」と譲り合うヒトコマもあった。いざ、出陣だ!


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