大勢のファンの拍手に迎えられて、棋士たちが会場に入った。
はじめに、出場棋士の紹介。注目の対戦は、やはり、小林泉美六段・今村俊也九段ペア対鈴木歩・小林光一ペアの「親子対決」だ。この4名が壇上に上ると、ファンからは、ひときわ大きな拍手が沸いた。
準々決勝の組み合わせは以下のとおり。大会初日は一局目で負けてもチャンスが残ったが、二日目は、負けたらそれまで。会場を後にしなければならない。着席した棋士たちの表情には、おのずと厳しさが現れていた。
対局開始宣言は、この日大盤解説と審判長をつとめるマイケル・レドモンド九段。「棋士たちはもう着席して、気合も整っているようですので、手短にごあいさつを。 ファンの皆さん、どうぞ一日楽しんでください!それでは、対局を始めてください」
4局の模様は、対局会場の前方にある巨大スクリーンに、同時に映し出された。とても見やすく、座ったままトップ棋士たちの対局を4局も同時に観戦できるので、年配のファンに大好評。巨大スクリーンの前に並べられた椅子も、たちまち埋まってしまった。
注目の親子対決は、先番の鈴木・小林光一ペアが、最新の布石を敷いて始まった。大盤解説会場でレドモンド九段は「まだ、白の対策ができていない構えです」と、興味をかきたてる。
大沢・趙ペアと佃亜紀子五段・小林覚九段ペアの対局は、戦いにつぐ戦いとなった。
レドモンド九段は「ヤミ試合ですね。見ている分には楽しい碁。でも、対局者は大変」。明朗な解説は今年もファンを喜ばせ、趙十段の厳しい手が飛び出すと「いかにも治勲先生らしい。意味が全くわかりません」と沸かせるシーンもあった。
青木喜久代八段・羽根直樹九段ペアと謝・河野臨天元ペアの一戦は、白番の謝・河野ペアの優勢ムードから、じわじわと青木・羽根ペアが押し戻して混戦に突入した。
梅沢・黄ペアと小西和子八段・坂井秀至七段ペアの一戦は、「全体的に黒番の梅沢・黄ペアが悪くない感じ」というレドモンド九段の解説だったが、「白は取られた割にはうまくまとめましたね」と、こちらも混戦だ。
かくして、4局の結果は以下のとおり。対局後のコメントに耳を傾けてみよう。
小西和子八段・坂井秀至七段ペア[白番中押し勝ち]
大沢奈留美三段・趙治勲十段ペア[黒番中押し勝ち]
謝依旻女流本因坊・河野臨天元ペア[白番4目半勝ち]
小林泉美六段・今村俊也九段ペア[白番10目半勝ち]
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