大盤解説会場に、対局者4名が迎え入れられると、会場からは拍手喝采。そして、終局直前の「事件」が語られた。
最後の最後にも波乱が含まれていた真相を知らされて、ともかくもこの大熱戦を戦い抜いて勝利した大沢・趙ペアと、最後まですばらしい粘りをみせた謝・河野ペアに、会場からは再び万雷の拍手が寄せられた。
興奮と笑いの余韻が残る中、表彰式がはじまる。 優勝ペアには、矢崎日本ペア碁協会副会長から賞状、浜田大会実行委員長から500万円の目録とカップが、準優勝ペアには同じく矢崎副会長から賞状、浜田大会実行委員長から100万円の目録が送られた。謝・河野ペアは目録を譲り合い、場内からは暖かい笑い。いつまでも譲り合う二人に、浜田大会実行委員長は片手ずつ手渡した。(椅子に戻ってからも、なおも譲り合う二人に、場内からはまた笑いが巻き起こっていた)
最後に、優勝ペアの喜びの声をご紹介しよう。 大沢「久々の優勝なので、嬉しいです」 ――趙先生は、何度も頭を抱えられたり、遠くを見ていたりなさっていましたが、気になりませんでしたか? 大沢「申し訳ないなと思いましたが(笑)、私がどんな変な手を打っても、趙先生なら面白がってくださり、なんとかしてくださるという安心感がありました」
趙「大沢さんは、3回ぐらいビックリする手もあったのですが、2回ぐらい、いい方のビックリする手も打ってくれました。 僕が気がつかない手。そこから流れがよくなるきっかけになった手です」
決勝を飾るのにふさわしい華々しい碁を制した二人は、終始満面の笑みだった。 さて、来年は、どんなペアが誕生し、どんなドラマが誕生するのだろうか。