Pair Go RICOH CUP 2009 〜リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2009〜
大会レポート Tournament Report

二回戦は話題が山盛りだ。泉美・坂井ペアvs鈴木・光一ペアは、昨年に続いて実現した親子対決。大盤解説会場では二十四世本因坊秀芳が「そりゃあ、光一さんは負けたくないでしょうね」と、お父さんの味方。この応援が伝わったのか、鈴木・光一ペアが好局をまとめて中押し勝ち。光一九段は「昨年は泉美に負けたんですよね。今日は遠慮してくれたみたい」と笑っていた。

一回戦で、名人戦のカタキをとられた佃・張ペアだったが、二回戦もまたまた「因縁対決」。こんどは、前々日に張が天元位を奪取した河野臨九段が相手だ。結果は、吉田・河野ペアの短手数による中押し勝ち。張名人・天元・碁聖は、ここでもカタキをとられてしまった。佃五段は「張栩さん天元奪取おめでとう!という気持ちで一手目を天元に打ったのですが、相手を怒らせてしまいました」。



万波・山下ペアvs岡田・彦坂ペアは波乱に満ちた一局となった。
二十四世本因坊秀芳の解説によれば「左上と左下の振り換わりは黒(岡田・彦坂ペア)が見たことがないぐらいの損。白が勝つべき碁です」。ところが、形勢が一変してしまうのがペア碁の面白いところ。いつのまにか黒が追い上げていく。と、山下棋聖・王座が誤順をしてしまい、ペナルティとして3目献上。そして、結果は、なんと黒の2目半勝ちとなったのだ。局後、控室に戻った山下棋聖・王座は「あ〜、僕が間違えなければ勝っていたのに〜」と頭を抱えて嘆き続けていた。



加藤啓子・羽根ペアvs加藤朋子・高尾ペアの一戦も大逆転劇。
二十四世本因坊秀芳は「右上で黒(加藤朋子・高尾ペア)がうまくやりました。白が勝つのは相当至難の業」と、黒の勝利をほぼ断言していたにもかかわらず、「おや!右辺の白が復活しましたね!形勢は?・・・いやまだ黒が残りそう」と変化し、「白が勝負手を放ち、追い上げています」と変化し・・・結果は、白の1目半勝ち。高尾十段は「二局目は必勝の碁だったのに、どうしてあれが負けたのかわからない」と、この日、一日中不思議がっていた。


小西・依田ペアvs小山・黄ペアの一戦では、思わず黄七段が飛び上がるヒトコマがあった。小山五段も「私たちが苦しかった」と振り返る。しかし、「気楽なコンビ」が奏功して相手の緩着を誘うと、難戦を制しての中押し勝ち。

青木・山田ペアvs矢代・蘇ペアの一戦も「難戦」だった。「白(青木・山田ペア)が薄かったのですが、うまくしのぎました」と青木八段が振り返る。その後、コウとなり、コウ材の足りない矢代・蘇ペアが無念の投了となった。

大沢・趙ペアvs知念・小林覚ペアの一戦は、大沢・趙ペアが大石を仕留めて中押し勝ち。

ギャラリーを最も集めた梅沢・今村ペアvs謝・井山ペアの一戦も、一局目に続いて力を出した謝・井山ペアが大石を捕獲して中押し勝ちをおさめた。



二回戦を終え、見事、連勝で「枠抜け」を果たしたのは、以下の4ペアだ。

☆加藤啓子女流最強位・羽根直樹本因坊ペア [ 白番1目半勝ち ]
☆鈴木歩四段・小林光一九段ペア [ 黒番中押し勝ち ]
☆謝依旻女流本因坊・女流名人・井山裕太八段ペア [ 白番中押し勝ち ]
☆小山栄美五段・黄翊祖七段ペア [ 白番中押し勝ち ]


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本大会ならではの趣向が、ここから始まる準々決勝決定・9路盤対局だ。碁盤が小さいため「下手をすれば3手目が敗着になることもある」と、棋士たちも戦々恐々。わずかな時間を惜しんで控室で研究会が催されるのもうなずける。そして、ファンにとっては手筋の応酬を堪能できる魅力満載の対局でもある。



一手一手、必死に読みふける棋士たちの真剣な表情に、場内は19路盤対局時にも増して、ピンと空気がはりつめた。しかし、対局が終わると、皆、にこやかに検討タイム。


組み合わせと結果をご覧ください。



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