抽選で、各ペアが自分たちの札を持って、席に着いていく。相手のペアとにこやかにご対面で、競技会ではあるものの、国際的な社交の場という雰囲気である。優勝を目指すペアはもちろん、棋力の差はあっても、交流を楽しもうというペアにとっても、緒戦の前は緊張感に包まれる。それが、向かい合った四人が自己紹介して、言葉を交わすうちに打ち解けていくのは、ペア碁ならではのものである。
ペア碁は、お互いの呼吸を合わせるのが大切である。それぞれの構想を支え合って、一つの方向性を出していけるかどうか。それが碁の内容にも、成績にも大きく影響する。分かっているのだが、盤上に没頭するうちに、つい忘れがちになるもの。滝裕子日本ペア碁協会理事の、「2日間ペア碁を楽しんでください」とのひと言で、みな気持ちを整えて競技が始まった。 |