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大会レポート
<併催イベント:英語で学ぶ囲碁入門教室>
3月21日

 3月21日は、セルリアンタワー東急ホテルで、在日外国人のための英語での囲碁入門教室も開催された。講師は、青葉かおり五段、アンティ・トルマネン初段、野口基樹アマがつとめた。10時半からと13時半からの2回の「入門教室」には、欧米、アジア、アフリカ……さまざまな国からの在日外国人「囲碁入門者」が集まり、それぞれ2時間の授業を楽しんでいた。

英語で学ぶ囲碁入門 会場

 授業は、入門指導の経験が豊富なアンティ・トルマネン初段が中心となり英語で行われた。トルマネン初段は、前日の「国際ペア碁オンライントーナメント」の審判の時に着ていた黒のスーツから一変、暖色の花柄のベストスーツに着替えて、気合い十分だった。

 まず青葉五段とトルマネン初段の紹介をし…(ここでも質問が次々と!)
続いて、石の取り方を教え、さっそく「6路盤」の中央に2子ずつ置いた状態からの「石取りゲーム」を皆さんに打ってもらう。
実際に体験してもらったところで、「眼」、「コウ」、「生き」の解説をし、
今度は「石埋めゲーム」を打ってもらう。
そして、最後は、2チームに分かれて、全員で連碁をする。
という流れだ。

 皆さん、石を取っては喜び、取られても笑い、対局に夢中になられていた。最後に「持ち運び式のミニ碁盤と碁石のセット」をプレゼントされると、子供のように大喜びされていた。

 10時半からの教室に参加されたランジャザフィ ツィラヴ マエリゾさんは、マダカスカル大使館勤務の女性で、いただいた名刺には「臨時代理大使」とあった。「今日は三人と友達ときました」と笑顔。そして、「マダカスカルにも、囲碁に近い二つのゲームがあります」と教えてくださった。一つは「Faritanyファリタニ」。「tany」は「テリトリー」、「Fari」は「描く」の意味なので「陣地を描く」ゲーム。もう一つは「Fanorona ファヌルナ」で、「見た目にはこちらのほうが囲碁に近そうです」。思わず、スタッフ一同「へー!」と声をあげていた。トルマネン初段も興味津々でさっそくネットで調べていた。

アンティ・トルマネン初段

 「マダカスカルのゲームに囲碁は似ていましたが、やっぱり集中しなければいけないし、囲碁は、最初は何がどうなっているかわかりづらいですから、そこは難しかったです。連碁も、みんなの前に行かなければいけなかったので、少し緊張しました」とマエリゾさん。でも「これからもぜひ打ちたい。けっこう、かなり気に入りました」と大満足のご様子で、「プロくらい強くなりたいですね」と大きな夢も話されていた。

 13時半からも教室も、同様に進行していった。「最後には、皆さんに2チームに分かれて『連碁』というチーム戦を打ってもらいます」というトルマネン初段の言葉に、皆さん「きゃー」と悲鳴をあげていたが、それが皆さんの笑いに転じ、明るい雰囲気となっていた。

 エジプトから来日されている女性、マハ エルディーブさんは、「妹がエジプトのカイロで打ち始めて、囲碁財団で習って他の人にも教えています。それで私もやってみたかった」と話され、「思ってたとおり、大変でした」と笑っていた。「でも、この碁盤と碁石をいただけたので、妹と打つことができます。私は妹に教えてもらえるし、妹は私に勝つことができるし、みんなハッピー! 素晴らしい!」と明るく笑われていた。

 シンガボールから来日されている女性、カルメン シウさんは、「シンガポールにいたときに、すでに『ウェイチー』という中国の言葉では知っていたのですが、これが囲碁と同じゲームだとは知りませんでした。元々いろいろなボードゲームが大好きで、囲碁もやってみようかなと思っていましたが、運がないゲームなので、これまで飛び込むのがちょっとこわかったんです」と話された。この日の授業については、「簡単なところから、難しくなっていく、段階的なアプローチがすごくよかったと思います。19路盤でやるのはこわいですが、こわさのない手数でよかったと思います」。そして、「もちろん、全てがわかったというわけではないけれども、本当にデモンストレーションが非常によく、よいスタートをきれました。主人も誘って、ぜひこれからも打ってみたい」と大満足のご様子だった。

青葉かおり五段、野口基樹さん

 モロッコから来日されている男性、エル ムンディール マイダラクさんは、「今日の授業は理解できましたか?」という質問に、元気のよい日本語で「とても」と返ってきた。「囲碁は初めての経験でした。パソコンで20年前に見ただけです。その時、ゲームのやり方はとても難しくて、先生がいませんでしたから、こんなゲームはできるようにならなさそうだなあという想像があって、子供の私はやめたほうがいいという気持ちでした。でも数年前から日本にきて、今ここにいます。偶然きました。もしかしたら運命かもしれません」と興奮したご様子。これからも続けられますか?という質問にも、「はい。もちろん。今日はとてもいい日でした。楽しかったです」と元気よく答えてくださった。

特別協賛

東京メトロ
東急グループ
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協賛

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SMBC日興証券
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NEC
大興電子通信
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フジサワ・コーポレーション
アドグラフィックス
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NKB Y's

主催

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