「プロ棋士ペア碁選手権2012」が、1月21日(土)に東京の日本棋院東京本院で開幕した。男女16名ずつがペアになって、トーナメントで日本一を争う。ペア碁は二人の実力はもちろん、互いの相性も大切で、どれだけ呼吸を合わせられるかが、勝敗に直結する。それだけに、実力者同士がペアになったからといって、必ずしも有利とは限らない。どのペアが活躍するか、自分なりに予想しながら楽しめる大会である。 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
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1回戦から準決勝まで、一気に3局打つスケジュールである。華やかなムードでスタートしたが、最後まで二人の集中力が続くかどうか、体力も必要な一日となった。 実力ナンバーワンと思われるのは、昨年度優勝の謝依旻女流三冠・王銘エン九段ペアである。ディフェンディングチャンピオンとして再度ペアを組んで、もちろん連覇を狙っている。また、向井千瑛四段・高尾紳路九段ペアは国際戦の代表ペアとして戦った経験があり、対抗ペアとして注目された。 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
< 開会式 >滝裕子日本ペア碁協会常務理事・事務局長が、「すばらしいトッププロの先生方が、ペア碁をどう打たれるのか興味深々でございます。ペア碁のよさを楽しみながら、ファンの方々にプロの芸をご披露くださいませ」と期待を込めてあいさつ。 大竹英雄審判長は、「32名のそうそうたる顔ぶれが揃いました。ふだんは個人戦で凌ぎを削っておりますが、今日はダブルスで戦います。ふだんと違う専門家の姿を楽しんでください」とあいさつ。さらに、解説の二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)を紹介しながら、「たまにいいことも言いますから、聞き逃さないように」と笑わせていた。 1回戦に臨む全ペアが、組み合わせごとに壇上に登って、ファンの声援を受けながら対局会場に向かった。当然ながら、出場棋士の半分が女性という、他にあり得ない大会だけに、開始前からじつに華やか。タイトル戦などで活躍している男性棋士たちも、この日ばかりは引き立て役に回った感があるが、それを嬉しそうに受け入れているのも、この大会の楽しさである。 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
< 対局開始 >◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
大盤解説には、大勢のファンが詰めかけた。いつものように二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)が解説を担当した。いつも石田九段と掛け合いで盛り上げている小川誠子六段は、今回は選手で出場。代わりに青葉かおり四段が聞き手を務めた。1回戦は8局あるから、大忙しである。進行中の碁を次から次に並べては、石田九段の毒舌が飛ぶ。それを青葉四段が混ぜっ返して、会場が大喜びである。
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< 1回戦 >
〈【白】謝依旻女流三冠・王銘エン九段ペア 対 万波佳奈四段・坂井秀至八段ペア【黒】〉 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
〈【白】矢代久美子五段・小林光一九段 対 佃亜紀子五段・山下道吾名人・本因坊【黒】〉 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
〈【黒】井澤秋乃四段・王立誠九段 対 知念かおり四段・井山裕太天元・十段【白】〉 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
〈【白】鈴木歩六段・山城宏九段 対 大澤奈留美四段・溝上知親八段【黒】〉 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
〈【黒】小山栄美六段・二十五世本因坊治勲(趙治勲九段) 対 小川誠子六段・小県真樹九段【白】〉 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
〈【黒】吉原由香里五段・結城聡九段 対 万波奈穂二段・山田規三生九段【白】〉 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
〈【黒】向井千瑛四段・高尾紳路九段 対 吉田美香八段・瀬戸大樹七段【白】〉 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
〈【黒】榊原史子六段・羽根直樹碁聖 対 青木喜久代八段・張栩棋聖・王座【白】〉 ◇◇◆◇◇◆◆◇◇◆◇◇
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