Pair Go RICOH CUP 2006 〜リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2006〜
大会レポート Tournament Report
万波三段・小林覚九段ペア対小西八段・結城九段ペア戦のギャラリーの中には、小林九段のお嬢さんと、夫君の孔令文四段、そして可愛らしいお孫さんの姿も。万波・小林ペアが優勢だったこの碁も、中盤で逆転。コウ争いがめまぐるしく、レドモンド九段は「わー。これは大変な碁ですね!」

加藤朋子五段・山田規三生八段ペア対、矢代女流本因坊・依田碁聖ペアの一局は、「事件」が起きた。矢代、依田両者共に気がつかずに「誤順」(手順を誤って打ってしまった!)。ペナルティーの3目をもらうと、加藤・山田ペアは、厳しく相手の石に襲いかかろうとしていたのをやめて、穏やかに逃がしてあげる打ち方に作戦を変更した。

レドモンド九段「この碁は、矢代・依田ペアが勝ちそうですね」
佃四段「今、情報が入りました! 誤順があって、3目のペナルティーだそうです!」
レドモンド九段「え…となると…うーん、細かいですね」

小山栄美女流名人・王立誠九段ペア対鈴木三段・張名人・王座ペアも、逆転劇。

逆転、逆転、逆転。大竹名誉碁聖の予想どおりの大熱戦に、大盤解説会場では悲鳴も上がるほど。
かくして、準決勝に勝ちあがったのは…

小林泉美・山下ペア。加藤・山田ペア。小西・結城ペア。そして、鈴木・張ペアの4組。



終局後の控室では…

小林覚九段が「途中までは全然よかったんだけどねえ」といかにも残念そうに振り返れば、依田碁聖は「僕ね、勝ってる思って打ってたんだよ。3目のペナルティのこと、すっかり忘れれて」と矢代女流本因坊に語りかけている横で、矢代女流本因坊は「今日は二局打つつもりだったのに…」と放心状態。

王九段は「優勝するつもりだったんだけど(笑)」。それを聞いて小山女流名人は「あー、私がだめにしました」と嘆くことしきり。すると、王九段は小山女流名人に代わって周囲に弁明。「実はね。記録係が間違えたんだよ、秒の読み方を。それでびっくりして、あああって打っちゃったの。ね? あそこからリズムがおかしくなっちゃったんだよね」。小山女流名人はどれほど王九段が励ましても耳に入らない様子で「あー、夢に出てきそう」。

「残念だったなー! 負けちゃったんだよ」と誰より元気のよい声をあげていたのは趙十段。「(大石が死んで)投げようと思ったとたん奇跡が起こってね。敬吾君が信じられないサービスをしてくれたんだよ。それで、勝ちになったその瞬間に、また間違えちゃったんだよ」。すかさず梅沢五段が「そーなんです。せっかく…! あーもう。スミマセン!」

負け組があまりに賑やかなので、勝ち組は控え目。それでも、鈴木・張ペアはしっかり反省会を済ませると、自信あふれる表情で準決勝の席へ。

加藤・山田ペアは「また、誤順を狙いましょう」と不思議な作戦を立てて対局会場へと入っていった。


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