終局後の控室では…
小林覚九段が「途中までは全然よかったんだけどねえ」といかにも残念そうに振り返れば、依田碁聖は「僕ね、勝ってる思って打ってたんだよ。3目のペナルティのこと、すっかり忘れれて」と矢代女流本因坊に語りかけている横で、矢代女流本因坊は「今日は二局打つつもりだったのに…」と放心状態。
王九段は「優勝するつもりだったんだけど(笑)」。それを聞いて小山女流名人は「あー、私がだめにしました」と嘆くことしきり。すると、王九段は小山女流名人に代わって周囲に弁明。「実はね。記録係が間違えたんだよ、秒の読み方を。それでびっくりして、あああって打っちゃったの。ね? あそこからリズムがおかしくなっちゃったんだよね」。小山女流名人はどれほど王九段が励ましても耳に入らない様子で「あー、夢に出てきそう」。
「残念だったなー! 負けちゃったんだよ」と誰より元気のよい声をあげていたのは趙十段。「(大石が死んで)投げようと思ったとたん奇跡が起こってね。敬吾君が信じられないサービスをしてくれたんだよ。それで、勝ちになったその瞬間に、また間違えちゃったんだよ」。すかさず梅沢五段が「そーなんです。せっかく…! あーもう。スミマセン!」
負け組があまりに賑やかなので、勝ち組は控え目。それでも、鈴木・張ペアはしっかり反省会を済ませると、自信あふれる表情で準決勝の席へ。
加藤・山田ペアは「また、誤順を狙いましょう」と不思議な作戦を立てて対局会場へと入っていった。 |