Pair Go RICOH CUP 2008 [ 大会レポート(１回戦、２回戦) ]

Pair Go RICOH CUP 2008 ～リコー杯プロ棋士ペア碁選手権2008～

いよいよ対局時間が近づいてきた。

控室を見回すと、一組、圧倒的な自信に満ちたペアを発見。謝依旻女流本因坊･女流名人と井山裕太八段のペア。共に19歳の、本大会史上最年少ペアだ。二人は、今年別の催しでペアを組んだことがあるという。ちなみに、謝女流本因坊･女流名人は、「第１回ワールドマインドスポーツゲームズ」のペア碁競技に中華台北代表として出場、銀メダリストでもある。
井山「もうバッチリ。大丈夫です」
謝「（井山）先生が大丈夫といえば、もう大丈夫です」
コメントの息も合っている。こわいものなしかと思われたが･･･

ここに、梅沢由香里女流棋聖が通りかかり、「あら？　井山君、なんだかオシャレになったんじゃない？メガネといい髪形といい」と一声かける。と、強そうだった井山八段はみるみる顔を赤らめていた。

◆・◆・◆

かくして、選手入場の時間。そして、開会式がスタートした。

司会は後藤美代子氏。
「会がなめらかに進行するよう、皆様のご協力をお願いいたします」

開会に先立ち、財団法人日本ペア碁協会副会長の矢﨑新二氏があいさつに立った。
「主催者として、第15回大会を迎えられましたことを喜び、皆様に感謝しております。年末の囲碁界のオールスター戦は、年々人気を博してきました。今年は第１回ワールドマインドスポーツゲームズも開催されました。ブリッジ、チェス、チェッカー、中国将棋、囲碁の頭脳ゲームを一堂に会し、合同で大会を行おうという気運が高まり実現したもので、ペア碁も白熱した戦いを見せました。20年前に日本で誕生したペア碁がこのように世界的な高まりを見せていることを嬉しく思います。今大会では、抽選による偶然の結果で、19歳どうしの若いペアも誕生しました。その他、豪華メンバーが揃い、白熱した熱戦をお楽しみいただけるものと思います。協賛の株式会社リコー様には心から感謝いたします。読売新聞、日本棋院、関西棋院はじめ、関係者の皆様にも心からお礼申し上げます」

続いて、株式会社リコーの顧問、本大会の実行委員長でもある浜田広氏、審判長の大竹英雄名誉碁聖、財団法人日本ペア碁協会の滝裕子理事･事務局長、大盤解説をつとめる二十四世本因坊秀芳（石田芳夫九段）、聞き手の小川誠子六段が紹介された。

そして、選手の紹介。ペアごとに名前が呼ばれるごとに、会場に集まった千人を越えるファンから万雷の拍手が起こった。

司会の後藤氏が、ルールと本大会の流れをおさらいした。
●コミは６目半。
●一手30秒以内だが、途中１分ずつ、10回の考慮時間が認められている。
●誤順（打つ順番を間違えること）は、ペナルティ３目を課せられる。
●二連勝のペア４組は、無条件で準々決勝に勝ち上がる。
●一勝一敗のペア８組は、９路盤にて準々決勝決定戦を行い、これに勝った４組が準々決勝に勝ち抜ける。
●９路盤対局は、一手30秒で、１分ずつの考慮時間は３回とする。

選手が対局席につくと、大竹審判長の対局開始宣言｡
「恒例になりました本大会に、今年も大勢の皆様がお越しくださり、ありがとうございます。選手にとっては真剣勝負ですので、どうぞ邪魔にならぬようにご観戦ください。これだけの棋士をよーくご覧になれば、必ず強くなるでしょう。一手一手ご一緒にお考えいただければと思います。それでは、対局開始宣言をいたします。おはじめください」

一回戦の組み合わせは、以下のとおり。

【Ａ】大沢奈留美三段・二十五世本因坊治勲ペア vs 小山栄美五段・黄翊祖七段ペア
【Ｂ】知念かおり四段・小林覚九段ペア vs 小西和子八段・依田紀基九段ペア
【Ｃ】吉田美香八段・河野臨天元ペア vs 梅沢由香里女流棋聖・今村俊也九段ペア
【Ｄ】佃亜紀子五段・張栩名人･天元･碁聖ペア vs
謝依旻女流本因坊･女流名人・井山裕太八段（★）ペア
【Ｅ】加藤啓子女流最強位・羽根直樹本因坊ペア vs
矢代久美子五段・蘇耀国八段（★）ペア
【Ｆ】加藤朋子五段・高尾紳路十段ペア vs 青木喜久代八段・山田規三生九段ペア
【Ｇ】鈴木歩四段・小林光一九段ペア vs 岡田結美子六段・彦坂直人九段ペア
【Ｈ】万波佳奈四段・山下敬吾棋聖･王座ペア vs 小林泉美六段・坂井秀至七段ペア
（★…初参加）

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