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プロ棋士ペア碁選手権2015

2015年2月14日(土) 2回戦~懇親会

2回戦

小山栄美六段・羽根直樹九段ペアvs向井千瑛五段・高尾紳路天元 十段ペア
好勝負が期待される有力ペア同士の対決である。小山六段が、「羽根さんが冷静なので、形勢は悪くないのかと思って落ち着いて打てました」と言う通り、無理をしないでペースを崩さない二人が、しぶとく粘って勝利を引き寄せた。向井・高尾ペアは優勝候補の一角だったが、2回戦で敗退となった。

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加藤啓子六段・村川大介王座ペアvs謝依旻女流名人 女流棋聖・河野臨九段ペア
 いい勝負だったが、一瞬にして謝・河野ペアが勝勢になった。解説の石田九段が、「ハメ手にひっかかったようなもの」と評したように、加藤・村川ペアにとっては残念な敗戦だった。それにしても、謝・河野ペアは乱戦になればなるほど強い。この二人のパンチを封じるのは大変である。

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桑原陽子六段・結城聡九段ペアvs吉田美香八段・山城宏九段ペア
飛び入りで解説に参加した張栩九段が、「いい勝負」と言っていたが、局面が急転回、「ぼくの判断が間違えていたかもしれない」と弱気になって会場の笑いを誘った。吉田・山城ペアがしぶとく勝ち上がって、準決勝進出である。ベテランペアは顔を見合わせてにんまり。ここまで来たら決勝に出たいと、視線で語り合っていたように見えた。

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鈴木歩六段・秋山次郎九段ペアvs王景怡二段・趙善津九段ペア
鈴木・秋山ペアが安定した打ち振りで主導権を握った。王・趙(善)ペアも粘り強く食い下がったが、逆転には至らなかった。手厚い棋風で相性がいい鈴木・秋山ペアの呼吸が合ってきた。もう一つ勝てば決勝進出である。

準決勝戦

小山栄美六段・羽根直樹九段ペアvs謝依旻女流名人 女流棋聖・河野臨九段ペア
序盤で小山・羽根ペアが2線をハッて位が低くなった。評判はよくなかったが、冷静に反撃のチャンスを待った。相手の模様の中で居直って大暴れ。相当危ない石を抱えたが、小山・羽根ペアは動じていない様子である。解説に飛び入りした山下九段が、「羽根さんは危ないと思っていない。ぼくは羽根さんの石を取りに行っても取れたためしがない」と言っていたが、小山・羽根ペアが見事に打ち回して、逆に相手の大石を潰してしまった。「やっぱり…」と山下九段は呆れるばかりである。小山・羽根ペアが決勝進出を果たした。

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吉田美香八段・山城宏九段ペアvs鈴木歩六段・秋山次郎九段ペア
鈴木・秋山ペアが絶好調、主導権を握ってリードを保った。もつれる場面もあったが、見事に三連勝で決勝まで駆け上がった。吉田・山城ペアにもチャンスがあった。「惜しかったですね」と吉田八段が言うと、「いい夢を見させてもらいましたね」と山城九段がにっこり微笑んだ。ベテランらしい味のあるペアだった。

懇親会にて

 参加棋士たちが集まって、慰労会が行われた。
 松田昌士ペア碁協会理事長は、「すばらしい碁をたくさん見せていただいてありがとうございました。それにしても男性棋士は大変だなあと思いました」と棋士たちを労った。「石田さんの解説も分かりやすくて楽しかった。だんだん口が悪くなっているような気もしますが」と笑わせて和やかな会がスタートした。
 石田九段が講評しながら、棋士たちに感想を聞いた。
 まずは、小山・羽根ペアにマイクを向ける。石田九段が、「苦しくなってもあんなに強いなら、もっと早くなんとかすればいいのに」と言うので、二人とも笑うしかない。「全部がんばり切らないといけませんでしたから、きつかったですね」と羽根九段が心境を披露、内心は困っていた様子がうかがえた。小山六段は、「羽根さんが落ち着いているので、形勢が悪いことに気がつかないで打てたのがよかった」とうまいことを言う。


 準決勝の相手の謝・河野ペアも呼び出された。石田九段が謝女流名人 女流棋聖に、「あれは勝ったと思ったでしょう」と話しを向けると、謝は困ったように口ごもる。で、また「勝ったと思ったでしょう」と迫られて、「そ、そうですね」と認めるしかなかった。河野九段は、「読めないのにぼくががんばり過ぎて、すみませんでした」と本気で謝っていたのが微笑ましい。
 決勝に進出したもう一組、鈴木・秋山ペアがマイクを握る。鈴木六段は、「棋風が似ているので、打っている感触はよかったです。でも内容はダメでした」と振り返っていた。
 十代同士の藤沢・一力ペア。藤沢女流本因坊 会津中央病院杯が、「すごく緊張しました」と正直な感想を述べた。一力七段は、「楽しかったです」とコメントも堂々としていた。
 他の棋士たちの感想。

 張栩九段「1回戦負けの常連です(笑)。来年はぜひ優勝したい」と本気で宣言していた。
 山下敬吾九段「簡単に負けてしまって残念です」としょんぼりである。
 溝上知親九段「ひどい手を打ってしまったのですが、ぼく的には楽しい時間でした」と意外にすっきりした様子。
 山城宏九段「準決勝は勝ったと思った瞬間もあったのですが、うまくいきませんでした」楽しそうに振り返っていた。
 吉田美香八段「だれかに、『謝さんと組んで勝つのは当たり前だから、吉田さんくらいと組んで優勝したいものだ』とからかわれました(笑)。負けたのは、そのだれかさんのせいですよ」と茶目っ気たっぷりである。

 村川大介王座「加藤さんと組んで楽しく打たせてもらいました。じつは昨日、加藤さんの棋譜を見て勉強したのです。でも、謝さんと河野さんのペアは実際にペア碁を打って練習したらしいので、相手が上でした」
 依田紀基九段「反省ばかりです。頭がぐるぐる回ってます」
 万波奈穂三段「定石で悪い手を打ってしまいました」
 趙善津九段「2回戦はチャンスをつかめなかった」

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